皮膚に触れることで、幸せホルモン『オキシトシン』が出る

今回の心と身体の健康情報は
「皮膚に触れることで、
幸せホルモン『オキシトシン』
が出る」
です。

これまで、2週にわたり、
皮膚の役割をお伝え
させていただきました。

①保護作用
②分泌作用
③体温調節作用
④貯蓄作用
⑤排泄作用
⑥知覚作用
⑦光や色を感知する
⑧香りを感じる
⑨音が聞こえる


今週は、皮膚に触れることで、
幸せホルモン「オキシトシン」
が出るという話です。


「オシキトシン」って何となく
聞いたことがあるかもしれません。



オキシトシンは分娩時に
子宮の収縮を促す作用があります。




また、
乳腺を刺激して、授乳を可能にします。





この働きだけでも超スゴイことですが、

このオキシトシンは、
「幸せホルモン」
「愛情ホルモン」
「絆ホルモン」
と呼ばれていて、
幸せ体質になる鍵があるんです!


このオキシトシンは、人の脳の
視床下部というところ産生され、
下垂体から分泌されるホルモンで、
親しい人と触れ合うなどの
スキンシップ(皮膚刺激)によって
増大することが様々な研究から分かっています。


愛情がこもったスキンシップは
☑安らぎを与える
☑ストレスを緩和する
☑人との信頼関係を築く
☑母子の絆を深める
☑性格が穏やかになる
☑知能指数が高くなる

など、さまざまな効果があります。
 





ここで少し実例を挙げてみます。

桜美林大学教授の山口創著
「皮膚は心を持っていた」を
一部抜粋してお伝えします。


1915年のアメリカのボルチモアの孤児院では、
1年以内に何と9割の赤ん坊が死亡。

1940年代に入ると、栄養状態が改善され、
医療的なケアも注意深く行われるように
なったが、それにもかかわらず、
孤児院で生活している子どもの3分の1は
死亡していた。

その原因は、当時最新として流行し
ていた育児法で、具体的には、

「子どもにあまり触れてはいけない」 

というもので、子どもに触れることは、
子どもを情緒的に甘やかすことであり、
泣いても放っておくことが推奨されたためでした。


これは、大変悲しいことですが、
スキンシップ不足で「オキシトシン」
の分泌が止まってしまったからと思われます。



また、児童虐待の影響を調べた米国の
精神医学者・クリスティン・ハイムらの
グループは、幼少期に虐待を受けた22人の
成人女性のオキシトシンの量を測ったところ、
極端に低いことが分かったそうです。

こちらの事例も幼少期に、スキンシップが
足りなかった事例だと思いますが、
いかに人間はスキンシップが重要か
教えてくれるものですね。



さらに、軽度の自閉症の子どもや、
ADHD(注意欠陥多動性障害)の
子どもなどは、スキンシップを
多くとることで、症状が軽くなること、
そして、スキンシップが多い子どもは
学力が高いということも、この本で報告
されています。



愛情を込めたスキンシップは無料で
いつでもできるので、ぜひ意識して
やってみてはいかがでしょうか?


毎週、健康情報をお届けしていて、
いつも思いますが、

効果が高いものほど、
シンプルで無料です。

でも、シンプルなほど、
当たり前に感じるので、
大切なことに気付かずに
素通りしてしまうことが
多いようです。


当たり前とは
「当たり」が「前」
にあるということを意識したいですね!